ミシュランジャパンR&Dセンター
日本上陸から35周年
~節目の年に、日本人初のテクニカルディレクターが就任~
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン(日本法人本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤 元)は、ミシュランのアジア初研究開発拠点であるR&Dセンターが設立35周年を記念し、社内イベントを開催しました。1991年の設立以来、日本の自動車メーカー向けのタイヤ開発から、アジア各国の工場の量産化支援まで、幅広い技術活動を行ってきました。イベントでは、これまでに日本から世界へ活躍の場を広げた研究員や、現在海外で勤務している研究員からお祝いのメッセージが寄せられ、餅つきやだるまの目入れなど日本らしい企画で節目を祝いました。
【新テクニカルディレクター就任】
2026年2月1日付で、諸林孔明が日本人初の日本ミシュランタイヤ研究開発本部テクニカルディレクター、乗用車タイヤ開発アジアオセアニアに就任しました。ミシュランは世界9カ国にR&D拠点を持ち、研究開発部門の専門性と先進的な知見を積極的に活かし、技術革新を力強く牽引しています。ジャパンR&Dセンターは今後もアジアを中心に世界のモビリティ市場に必要とされるタイヤ開発を推進していきます。
日本ミシュランタイヤ研究開発本部テクニカルディレクター諸林孔明コメント
「35周年イベントを通じ、長年にわたり支えてくださったパートナー、そしてカスタマーの皆さまへの深い感謝と、先輩方、仲間一人ひとりの努力が組織の成長を形づくってきたという歴史を改めて実感しました。私たちはこれまで培ってきた技術と知見を礎に、イノベーションへの情熱を絶やすことなく、未来の価値創造に挑み、次の35年に向けて、さらに前向きな変革を推進してまいります」
【ジャパンR&Dセンターの歩み】
ミシュランのR&Dが日本での活動を開始したのは1980年代のこと。当時はタイヤの直需部門のビジネスのための車上評価(主に官能評価試験)、タイヤ性能研究、雪氷性能研究や静粛性研究を中心に活動していました。その後、ミシュラン・オカモトタイヤ株式会社設立に伴い、1991年にミシュラン・リサーチ・アジアを立ち上げ、日本、タイや中国などアジア各国でたちあげた工場におけるミシュランタイヤの開発・量産化を担当してきました。近年ではインドやインドネシアの工場の立ち上げにも貢献しています。また、日本や韓国のカーメーカーの純正装着タイヤの開発も手掛け、1996年には、初のアジア製純正装着タイヤを製品化しました。ジャパンR&Dセンターでは、乗用車用タイヤの製品開発・設計、性能研究、材料研究、性能試験を継続して行い、上市している多くの製品をここ、ジャパンR&Dセンターから誕生させています。
【Primacy シリーズの開発】
ジャパンR&Dセンターが長年取り組んできた製品開発の一つにMICHELIN Primacyシリーズがあります。顧客の要求を満たす静粛性能を高めることで、乗り心地を追求した商品です。プレミアムコンフォートを目指すこのシリーズの開発は約20年前にスタートしました。高い静粛性を求める日本市場のニーズにこたえるべく、新しい技術とデザインを試しては失敗を繰り返し、開発と量産化は難航しました。 2009年のPrimacy LC販売開始以降、このシリーズは最上質なプレミアムコンフォートタイヤとして認められるものとなりました。先日発表したMICHELIN Primacy 5 Energyまで続くPrimacyシリーズの開発を手掛け、静粛性、操安性、耐摩耗性、低燃費性の向上など、ミシュランタイヤの目指す、トータルパフォーマンスに優れたタイヤづくりを続けています。ジャパンR&Dセンターの開発したタイヤはグローバル市場でも愛される製品として世界の多様な路面で安全で快適な乗り心地を提供し続けています。
【プレミアムタッチ】
ジャパンR&Dセンターが実装に貢献した技術に、プレミアムタッチがあります。タイヤのサイドウォールに深みのある上質な黒さとベルベットのような高級感ある手触りを実現しています。タイヤの性能に加え、見栄えもプラスすることが、商品価値を上げると考え、開発を続けています。黒い外観はタイヤにプレミアム感を与え、ミシュラン製品を好む顧客にとって、新たなシフトチェンジとなるテクノロジーです。タイヤのサイドウォール表面を0.1mm以下で精密に加工することで、“深みのある黒”と“ベルベットのような手触り”を実現するミシュラン独自のデザイン技術です。
【これからのジャパンR&Dセンター】
働き方の変化やテクノロジーの進化により、これまで以上にスピード感のあるイノベーションが求められています。ミシュランでは、この変化を好機と捉え、バーチャル技術やAIを使ったデータ分析も積極的に活用し、材料開発、補修用・純正装着用のタイヤ開発、性能研究・試験など、タイヤの研究と開発について総合的に活動できる体制を整えます。
経験豊富なシニアエンジニアとともに開発に取り組むことで、若手研究者の成長を促し、世界中のエンジニアとのネットワークをさらに広げることができます。こうした環境を、次の時代の技術革新を生み出すための原動力とし、センターの未来をさらに活性化させます。
ミシュラングループ東アジア・オーストラリア マネージングディレクター、マニュエル・ファフィアンのコメント
「イノベーションに関わってきたジャパンR&Dセンターは、ミシュランタイヤにハイクオリティとイノベーションをもたらしました。ここから、アジアのために貢献するすばらしいエンジニアを輩出しています。様々な年代のモビリティ事情に合わせた日本の研究開発の献身的なサポートは、アジア地域のモビリティを豊かにし、多くの顧客の安全と移動を支えています。自動車メーカーに対するヴァーチャルサブミッション※1やパートナーの要求に、素早くこたえられることは、私たちの新たな武器となります。中国の純正装着タイヤのように、最も成長著しい市場開拓にも挑戦していきます。そのために、日本のR&Dセンターのリーダーシップや貢献、経験値はさらに重要となります」
ミシュラングループ 研究開発部門執行副社長 フィリップ・ジャカンのコメント
「日本の研究開発チームはミシュランのアジアにおける成長に貢献してきました。当初はアジア初の工場生産を支援し、その後もプレミアムで要求の厳しいカーメーカーの信頼できるパートナーとなることにも成功しました。また、ミシュランのウィンタータイヤの技術を次世代へと進化させ、ミシュランタイヤのアジアでの評価を大きく高めました。ジャパンR&Dセンターの革新的なリーダーシップは、近年発表されたMICHELIN Primacy 5の成功によって改めて証明されました」
※1 ヴァーチャルサブミッション:自動車メーカーへ提出する タイヤ性能データ・解析結果・設計資料・シミュレーション結果などを、実物試作品なしでデジタルデータとして提出するプロセス のこと。シミュレーションやバーチャル評価結果を先に提出することで、試作品製造前からメーカーとの技術検討が進められます。