2050年、ミシュランタイヤは100%持続可能に
2021-3-2
本リリースは、仏Boulogne-Billancourtで2021年2月23日に発表した英文リリースの抄訳です
ミシュラン(日本法人:日本ミシュランタイヤ株式会社、本社:東京都新宿区、代表取締役社⻑:ポール・ペリニオ、以下「ミシュラン」)は、2050年までにタイヤを100%持続可能にする取り組みを進めます。これには、2017年に発表したVISIONコンセプト(エアレス、コネクテッド、3Dプリンティングの活用、100%持続可能原料を使用したタイヤ)の実現に向けた活動も含まれます。
現在、ミシュランタイヤは、主原料の天然ゴムに加え、合成ゴム、金属、繊維、強化剤(カーボンブラック、シリカ)、可塑剤(樹脂)、加硫用の硫黄など、200種以上の素材で製造されています。使用する素材は相互作用し、ミシュランの最先端技術によって、安全性、快適性、環境負荷低減に優れた性能を提供します。ミシュランタイヤの原材料の約30%*は、既に天然素材かリサイクル素材、持続可能な原材料です。
研究開発7拠点で6,000人以上のエンジニア、研究者、化学者、開発者が、350の専門分野で2050年までにタイヤを100%持続可能にするというこの目標達成に取り組んでいます。 ミシュランには、過去培った経験と1万件以上のタイヤ設計・製造に関する特許出願があります。また、革新的なテクノロジーパートナーや異業種の先駆者を積極的にまとめ、イノベーションのスピードと品質の向上をはかっています。
100%持続可能な未来のタイヤに関しては、以下のビデオをご覧ください。
持続可能な未来に向けた、ミシュランの取り組みをいくつかご紹介します:
- 2019年から、バイオバタフライ・プロジェクト(BioButterfly)を主導するアクセンス (Axens、本社:フランス)、IFPEN(本社:フランス)と、石油由来ブタジエンに代わる、バイオマスブタジエン**製造に取り組んでいます。この技術で、木材、籾殻、葉、トウモロコシ茎葉などを原料に、年間420万トンの木材チップがミシュランタイヤへリサイクルされる可能性が見込まれます。
- 2020年11月にパイロウェーブ(Pyrowave、本社:カナダ)と提携し、廃ポリスチレン(ヨーグルトポット、食品容器、プラスチック包装など)からリサイクルスチレンを製造しています。スチレンは、ポリスチレンだけでなく、タイヤその他消費財の合成ゴム製造に使用されます。最終的に、年間数万トンのポリスチレン廃棄物を、元の製品やミシュランタイヤにリサイクルすることを目指しています。
- キャルビオ(Carbios、フランスの新興企業)が開発したプロセスで、酵素を使用してペットボトル***を元の純粋なモノマーに分解します。使用済みペットボトルを回収し新しいペットボトルとして繰り返し再利用できます。リサイクルされる素材には、タイヤ製造に使用するポリエステルが含まれます。年間約40億本のペットボトルがミシュランタイヤにリサイクルされる可能性が見込まれます。
- 2021年2月、エンバイロ(Enviro、本社:スウェーデン)と共にミシュラン初のタイヤリサイクルプラントの建設着工を発表しました。カーボンブラック、熱分解油、スチール、ガス、など高品質の再生材料を使用済みタイヤから回収する特許技術を開発しました。この技術により、タイヤを100%リサイクルすることが可能になります。
- ブラックサイクル(BlackCycle)欧州共同企業体へ参加し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)もサポートしています。プロジェクトに資金提供し、13の公的および民間のパートナーが、使用済みタイヤから新しいタイヤを製造するプロセスを設計します。