~ミシュランが金属積層造形技術拠点を日本に設置して1年~
(一社)群馬積層造形プラットフォーム、群馬県立産業技術センター および仏CETIMと連携し、進化を加速
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュランの日本法人である日本ミシュランタイヤ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:須藤 元、以下ミシュラン)が加盟する「一般社団法人群馬積層造形プラットフォーム」(以下GAM)は、本日群馬県庁において活動成果に関する技術報告会を実施しました。この報告会の中で、今年新規メンバーとなった群馬県立産業技術センターとフランスの国立産業技術センターにあたるCETIM(セティム)と連携し、今後のGAMの積層造形技術開発の探索テーマと方向性を示す「探索マップ」を発表しました。
GAMで最初に取り組むテーマは、「コンフォーマル冷却金型」と「少量生産品」への金属積層造形の適用です。コンフォーマル冷却金型とは、形状に適応した冷却配管を内部に持つ金型で、冷却効率と生産効率が高い特徴を持ちます。これらのテーマの追求により、日本の製造業において、金属積層造形が今後どの領域に有意性があるのか、どのように企業課題や社会問題の解決に繋がるのかを明確化します。
「探索マップ」とは、GAMが金属積層造形をものづくりに実装し、新たな価値を生み出すに至るまでの道筋を示すマップです。4つのステップで構成され、図中には青・紫・オレンジ・緑で示しています。それぞれ「GAMの取り組むテーマ」、「価値を実現するための方策」、「乗り越えるべき課題」、「AMのもたらす新たな価値(ゴール)」を意味し、このマップを元に共同開発を行いながら、課題や解決の方策を明確にします。そして柔軟にマップを更新しながら、志を同じくする仲間と新たな価値創造を目指します。
今回発表した「探索マップ」のイメージ
2021年7月、ミシュランと群馬県下の有志企業は、次世代イノベーションを担うオープンプラットフォームとしてGAMを設立。2022年4月にはミシュラン太田サイト内に金属積層造形装置(金属3Dプリンター)2台を設置し、活動拠点となる「ミシュランAMアトリエ」を開設しました。これまでの2年間、GAMは「ミシュランAMアトリエ」をベースにデジタルモノづくり人材を育て、技術者のリスキリングを積極的に行うほか、GAMメンバー企業と共に積層造形技術の実用化を目指す共同開発に取り組んできました。そして本日、実際のものづくりに繋げる共同開発の第一歩として、自動車部品を製造するコンフォーマル冷却金型における金属積層造形の冷却効果検証、少量生産品用の素材として金属積層造形の適合性検証の結果を発表しました。いずれも金属積層造形の有意性がある領域とそうでない領域を検証することができました。
GAM代表理事 鈴木 宏子氏 は次のように述べています。
「ミシュランAMアトリエを使ったGAMの共同開発の成果を、今回初めてご報告できることを大変嬉しく思います。GAM設立から2年弱、拠点となるアトリエ開設から1年で、『探索マップ』を策定し、金属積層造形の生み出す新たな価値を見える化することができました。今後、より多くの仲間とともに実用化と共同開発を加速していきます」
日本ミシュランタイヤ 代表取締役社長 須藤 元 は次のように述べています。
「本年夏の本社の群馬移転に先行して、GAMとともに今回の共同開発成果報告ができ、群馬県の仲間となったことを実感しています。ミシュランはタイヤメーカーというコアを持ちながら、『タイヤを超越した』分野でも積極的に協業の可能性を探っています。成功には、ミシュランの専門知識に加え、高い専門性を持つ外部企業の皆様とのコラボレーションが不可欠です。これからも、金属積層造形を皮切りに革新的な技術と『わくわくする展開』を群馬から発信し続けます。」