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金属積層造形技術の拠点となる「群馬積層造形プラットフォーム」を設立
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金属積層造形技術の拠点となる「群馬積層造形プラットフォーム」を設立

2021-6-25

~産官学連携により、群馬県から人材育成と次世代イノベーション創出に寄与~

 

日本ミシュランタイヤ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:須藤 元)および群馬県の製造企業を中心とするグループは、日本貿易振興機構(ジェトロ)群馬貿易情報センター、群馬県および前橋市や太田市、群馬大学などと連携し、次世代イノベーションを担うオープンプラットフォームとなる「群馬積層造形プラットフォーム」を設立します。本プラットフォームは、2021年7月下旬に一般社団法人として稼働開始します。

◆設立の背景◆

群馬県は世界遺産である富岡製糸場をはじめ、地域資源を活かした多種多様な地場産業を有し、高い教育への関心を背景に明治維新という日本の大変革期を支え、近代ものづくりの重要な拠点として発展してきました。現在は自動車を中心とした製造業が盛んであり、自動車業界に変革をもたらすCASE(注1)やVUCA(注2)などの環境変化に迅速かつ柔軟に対応する必要があります。このような背景により、高付加価値産業基盤への転換を図るため、県下の産官学が集結し、群馬積層造形プラットフォーム準備委員会を発足しました。

◆一般社団法人 群馬積層造形プラットフォームについて◆

前身となる検討委員会は、群馬県下の意欲ある製造業企業が集まり2020年8月に始動、その後、群馬金属積層造形プラットフォーム準備委員会と名称を変え、参加企業を増やしながら準備を続けました。そしてこのたび、群馬積層造形プラットフォームと名称を改め、本格的に金属積層造形技術をベースにした教育プログラムなどを提供してまいります。

金属積層造形技術は、ミシュランの合弁企業であるAddUp(アダップ)社の機器をミシュランの太田サイト(群馬県太田市)内に設置します。併せて、ミシュランは教育プログラムと運用のノウハウを所属企業に開放します。そして、ここで培う新しい知識を基盤に、地域の企業と共に将来的な地域の新産業創出拠点を目指します。

「積層造形」とは

立体物を輪切りにした断面データをもとに、樹脂・粉体などの薄い層を積み重ねて立体物を製作する技術のこと。3Dプリンティング、付加製造、AM(アディティブ・マニュファクチャリング)とも呼ばれ、複雑な形状が自由に成形可能となることから、航空宇宙産業・自動車・医療分野等に幅広く適用される。
金属材料を用いた部品への期待も高まっている。
ミシュラングループは、タイヤ性能を向上させるため、この技術を金型製造に使用し、10年以上にわたる量産でのノウハウと知見を保有している。

本プラットフォームの設立準備には、県内企業を支援するため、群馬県、前橋市、太田市をはじめ、群馬大学や群馬銀行が参加しました。なお今後、群馬大学とは、次世代の産業を担う人材育成および専門知識の交流も展開していく予定です。

◆今後の展開◆

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金属積層造形のビジネス展開は、欧米では既に広く始まっており、ミシュランもその一翼を担っています。フランスでは既に同様の人材育成プラットフォームのトレーニングが始まっています。今回の設立により、群馬県にも同様のトレーニングを導入し、積層造形のノウハウを持つ人材を増やしていきます。

日本で最初の官営模範製糸場である富岡製糸場は、1872年開業時にはフランスから技術を導入し、研鑽を積んで日本のものづくりの近代化に大きく貢献しました。150年以上経った今、今回は群馬積層造形プラットフォームで再びフランスからデジタル技術を学び、デジタルものづくりの礎を築いていきます。

JETRO群馬所長 柴原友範(しばはら・とものり)は次のように述べています。

「ジェトロ群馬は、2019年7月にミシュラングループからこの構想を聞いて以来、この2年間で、県内企業、大学、自治体との橋渡しを行い、設置検討委員会、準備委員会を先導してきました。世界の製造業を取り巻く環境変化に対応して高付加価値産業へ転換するためには、3D金属プリンターなどの最新デジタルものづくり技術と、その技術に精通したデジタルものづくり人材が鍵を握る一方、そうした設備は高額で、また教育できる指導者もいないため、1企業では手が出せないというのが現状です。ミシュラングループと地域中核企業が連携する本プラットフォームにより、最新技術と教育プログラムへのアクセスが容易となり、デジタルものづくり人材が生み出されることで、イノベーションの創出と地域経済の活性化にも繋がると期待しています。そして、この『群馬モデル』が、日本の新たなものづくりの礎となることを願っています」

日本ミシュランタイヤ株式会社 代表取締役社長 須藤元(すどう・げん)は次のように述べています。

「現在ミシュラングループは、過去130年間積み上げてきた高品質で持続可能なタイヤをお届けするミッションを主におきつつ、『タイヤを超越した』サービスやソリューションの展開を推進しています。今回の積層造形技術を軸とした産官学連携はその一環であり、業界の境界を越えて社会の発展に貢献したいという我々の明確な意思表示でもあります。
弊社太田サイトから技術を提供する形で携わることができて大変光栄です。地元企業、自治体、大学の皆様と密に協業し、群馬県そして日本の産業発展に寄与するため、新たな価値創造に尽力して参ります」

群馬県 産業経済部長 鬼形尚道(おにがた・なおみち)氏 は次のように述べています。

「群馬県の新たな『産業振興基本計画』では、既存産業の強みを生かしながら、時代の変化に合わせた新しい成長機会を探求する『両利き(ハイブリッド)の産業構造』を目指していくこととしています。ミシュラングループの強力なバックアップの下に進められる本プラットフォームの構想は、その実現に欠かせないプロジェクトであり、大いに期待しています。
本プラットフォームは、JETRO群馬による力強いリードはもちろん、前橋市や太田市などの自治体や大学の支援、地元企業の積極的な関与など、県内の多くの産学官関係者の協力によって設立に至ったものであり、県としても、県内のものづくり産業が今後とも継続的に発展していけるよう、積極的にバックアップしてまいります」

注1:CASEとは、C(コネクテッド)-A(自動運転) – S(シェアリングサービス)-E(電動化)の頭文字からなる造語で、次世代自動車業界のトレンドのこと
注2:VUCAとは、V(変動性) – U(不確実性) – C(複雑性) – A(曖昧性)からなる造語で、この4つの要素のため、将来の予測が困難な現代の状況を表す

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