ミシュランガイドはワイン生産者を対象とした新評価
「ミシュラングレープ」セレクションを発表
~世界のワイン愛好家に向け、フランス ブルゴーニュ地方の伝統と革新を紹介~
The entrance gates to the Joseph Drouhin estate. © Serge Chapuis/Joseph Drouhin
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンに掲げるミシュラン(日本法人、日本ミシュランタイヤ株式会社、本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤 元)は、史上初となるミシュランガイドのワインセレクション、「ミシュラングレープ」を発表しました。世界のワイン愛好家にとって重要な産地であるブルゴーニュ地方のドメーヌ※1が、世界初の「ミシュラングレープ」セレクションとして紹介されます。今回発表となるセレクションはミシュランガイド公式ウェブサイト及びアプリで公開しています。
- 9ドメーヌが最高評価である3ミシュラングレープの評価
- 20ドメーヌが2ミシュラングレープの評価
- 33ドメーヌが1ミシュラングレープの評価
ブルゴーニュ地方の94軒のドメーヌがこの歴史的な初のセレクションとして紹介されました。
初の「ミシュラングレープ」セレクション発表は、歴史あるブルゴーニュ公爵宮殿(現ディジョン市庁舎)で行われました。世界のワイン愛好家にとって基準となるブルゴーニュは、現代における「テロワール※2」の概念が育まれ、何世紀にもわたり磨かれてきた土地です。ワイン造りがこの地域の歴史や文化と深く結びつき、長い時間をかけて受け継がれてきました。家族経営を中心とするワイン生産者は、世代を超えて受け継がれてきた精緻な技術と丁寧なものづくりを大切にしながら、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズに広がる多様な個性を表現しています。この地の歴史とアイデンティティは、代表的なブドウ品種であるシャルドネとピノ・ノワールによって育まれ、ブルゴーニュが世界的な産地となる礎を築きました。初となる今回のセレクションでは、ブルゴーニュ地方から9軒のドメーヌが3ミシュラングレープ、20軒のドメーヌが2ミシュラングレープ、33軒のドメーヌが1ミシュラングレープに選ばれました。さらに、32軒のセレクテッドが加わり、合計94軒のドメーヌが紹介されています。
昨年12月にセレクションの開始を告げたミシュラングレープは、レストランやホテルに続くミシュランガイドの新たな専門領域として、世界各地の優れたワイン生産者に光を当てるものです。選定にあたっては、ミシュランガイドが国際的な専門家チームを編成し、独立した立場から評価を行いました。評価は、世界のすべてのワイン産地に共通して適用される一貫した5つの基準に基づいて行い、各ドメーヌの卓越性を総合的に評価します。
5つの評価基準
- アグロノミーの質
ワインの品質に直結する重要な要素として、ブドウの樹、土壌の健全性のバランス、徹底した手入れ、丁寧さを評価します。 - テクニカルマスタリー
ワイン醸造における技術力に焦点を当てます。テロワールや品種を映し出し、緻密で厳格な醸造プロセスによって生み出された完成度の高いワインが求められます。 - アイデンティティ
個性、土地の特徴、文化的背景を反映したワインを造り出す生産者に焦点を当てます。 - バランス
酸味、タンニン、樽香、アルコール度数、甘味とのバランスを重視します。 - 一貫性
ワインは、困難な年であっても品質が保たれているかを確認するため、複数のヴィンテージで評価されます。ミシュランガイドは、時を重ねるほど深みと優れた味わいを増すワインを称えます。
ミシュランガイド・インターナショナルディレクターのグウェンダル・プレネックは次のようにコメントしています。
「初のミシュラングレープセレクションは、伝統を守りながらも活力に満ちたブルゴーニュの姿を示しています。同地域は、テロワールやアペラシオン※3の階層構造を通じて、高度に体系化されたワイン産地の一つです。一方で、今回のセレクションは、卓越性が名称や知名度だけで決まるものではないことも示しています。それは、ブドウ栽培から醸造・熟成に至るまでの精緻な取り組み、そして最高品質を追求するために各ワイン生産者が注ぐ個性に表れています。また、今回の選定は、世代や背景、アプローチの異なる造り手が共存する、ブルゴーニュのダイナミックな一面も浮き彫りにしています。家族の伝統を代々受け継ぐ生産者から、新たにドメーヌを立ち上げた生産者まで、それぞれがこのワイン産地の進化に貢献し、アイデンティティを保ちながら自らを進化させ続けています。こうした多様なプロフィールと表現こそが、初のミシュラングレープセレクションに大きな魅力を与えています」
3ミシュラングレープ:ヴィンテージを問わず、ワイン愛好家からの深い信頼を得ている、卓越した生産者
初のセレクションで選ばれたドメーヌは、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌにわたり、両地域がブルゴーニュを代表する産地であることを改めて示しています。
■ コート・ド・ニュイ
コート・ド・ニュイは、この初のエディションで、ジェヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー、モレ・サン・ドニにまたがる5つのドメーヌが最高位にセレクションされました。
2003年に設立されたドメーヌ・セシル・トランブレイ(モレ・サン・ドニ)は、コート・ド・ニュイで新しく生まれた数少ないドメーヌの一つです。しかし20年足らずで、ブルゴーニュで最も高く評価されるドメーヌの一つとして浮上しました。アンリ・ジャイエ氏の大姪にあたるセシル・トランブレイ氏は、オーガニック・ブドウ栽培、長期の低温マセラシオン※4、穏やかな抽出、そしてきめ細やかなタンニンという独自のスタイルを確立しています。 主にヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー、ジュヴレ・シャンベルタンで造られるこれらのワインは、芳香の純度、絹のようなテクスチャー、そして複雑さが特徴的です。揺るぎない品質基準のもと、ヴィンテージを重ねるごとに築かれてきた、希少性の高い独自のスタイルがあります。
ジュヴレ・シャンベルタンでは、ドメーヌ・デュガ・ピが低収量のブドウ畑から極めて限定的に生産しており、長期熟成用の濃縮ワインが造られています。ブドウは、古くから受け継がれてきた選抜樹の古木をビオディナミ※4農法で栽培。房ごと発酵させる伝統的な醸造法や長期間の果皮浸漬、樽熟成などの手法を用い、その哲学はベルナール・デュガ氏から現当主のロイック・デュガ氏へと継承されています。
かつては力強く重厚なスタイルで知られていましたが、2015年以降は豊かな凝縮感を保ちながらも、より洗練され、エレガントな味わいへと進化しています。
シャンボール・ミュジニーにあるドメーヌ・ルミエは、1924年にジョルジュ・ルミエによって創設されました。彼は著名な栽培家であり、ブドウ栽培から瓶詰めまでを自社で行う「ドメーヌ元詰め」の先駆者としても知られています。以来、代々受け継がれながら発展を続け、コート・ド・ニュイを代表するドメーヌの一つとして確固たる地位を築いてきました。近年まで地域を代表する醸造家の一人であるクリストフ・ルーミエ氏が率いていましたが、現在はその運営を甥たちに託しています。
ヴォーヌ・ロマネに本拠を置くドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)は、2019年からペリーヌ・フェナル氏とベルトラン・ド・ヴィレーヌ氏の共同体制で運営されています。1942年以来続く、二つの家系による共同経営モデルを守り続けながら、世界最高峰のワインを生み出し続けています。テクニカルディレクター兼セラーマスターのアレクサンドル・ベルニエ氏とともに、28ヘクタールに及ぶグラン・クリュ畑を管理。ビオディナミ農法で栽培されたブドウは、長年受け継がれてきた伝統的な手法によってワインへと醸造されます。その卓越した品質と一貫した哲学により、世界的な名声を築いています。
ブルゴーニュワイン界の伝説的人物、ラルー・ビーズ・ルロワ氏。ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ルロワに加え、コート・ド・ボーヌ地区のサン・ロマンにあるドメーヌ・ドーヴネでもその才能を発揮しています。妥協を許さない哲学のもと、ビオディナミ農法の先駆者として道を切り開いてきた彼女は、今回のセレクションにおいて「3ミシュラングレープ」で2つのドメーヌを同時に選出された唯一の生産者となりました。これは、その比類ない評価の高さを物語っています。
■ コート・ド・ボーヌ
コート・ド・ボーヌからは、ムルソーからヴォルネ、さらにサン・オーバンとサン・ロマンという4軒の優れた生産者が選ばれています。
ブルゴーニュを代表する醸造家の一人、ラルー・ビーズ・ルロワ氏は、サン・ロマンにあるドメーヌ・ドーヴネを、この地域でもひときわ個性的で卓越したワインを生み出すドメーヌへと育て上げました。わずか4ヘクタールの畑では、ビオディナミ農法を採用し、剪定の時期や収量の管理、収穫時の厳格な選果に至るまで徹底した、妥協のない基準を貫いています。こうして造られる白ワインと赤ワインは、凝縮感と複雑さを兼ね備え、長期熟成によってさらに真価を発揮することで知られています。
ムルソーに本拠を置くドメーヌ・コシュ=デュリは、卓越した品質で知られるブルゴーニュを代表する名門ドメーヌのひとつです。1920年代にレオン・コシュ氏によって創設され、四世代にわたり、コート・ドールを代表する生産者としての地位を確立しました。現在の名声の礎を築いたのはジャン=フランソワ・コシュ氏です。彼は力強さ、精密さ、そして優れた熟成能力で独自のスタイルを確立しました。2010年からは息子のラファエル・コシュ氏がその哲学を受け継ぎ、高い品質基準を守りながら、より繊細でテロワールの個性を鮮明に表現するワイン造りへと発展させています。約12ヘクタールの畑からは、ペリエール、ジュヌヴリエール、カイユレといったムルソーのプルミエ・クリュをはじめ、コルトン・シャルルマーニュなどの優れた白ワインを生産しています。引き締まった酸味、力強い凝縮感、そして長期熟成によってさらに真価を発揮する卓越したポテンシャルで高く評価されています。
ヴォルネイのジャン・マルク&トマ・ブレは、約10ヘクタールを保有する家族経営のドメーヌとして、コート・ド・ボーヌを代表する生産者として高い評価を得ています。丁寧な畑管理と低収量栽培により、それぞれの畑の個性を鮮明に表現。ワインはしなやかな口当たりと力強い骨格を併せ持ち、繊細なタンニンと深い味わい、そして優れた熟成能力で知られています。
サン・トーバンのドメーヌ・ユベール・ラミーは、コート・ド・ボーヌを代表する最も影響力のあるドメーヌの一つです。2000年頃にオリヴィエ・ラミー氏が経営を引き継いで以来、その名は国際的に広く知られるようになりました。約20ヘクタールの畑を所有し、その多くはサン・トーバンに位置しています。さらに、特級畑クリオ・バタール・モンラッシェにもわずかな区画を有しています。オリヴィエ・ラミー氏は、高密植栽培の先駆者として知られています。ブドウの樹を密に植えることで収量を抑え、小粒で凝縮感のあるブドウを育てる独自の栽培方法を確立しました。
こうして生み出されるワインは、精密で直線的な味わいと鮮明なミネラル感が特徴です。高い純度と優れた熟成能力を備え、長い年月をかけてさらなる複雑さを獲得していきます。
なかでも「オート・ダンシテ(Haute Densité)」シリーズは世界中の愛好家から熱狂的な支持を集めており、現在のブルゴーニュを代表する最高峰の白ワインの一つと評価されています。
2ミシュラングレープ:品質と一貫性において、その地域や生産者の中で際立つ、素晴らしい生産者
初のセレクションで選ばれたドメーヌは、コート・ド・ニュイからコート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズに至るブルゴーニュ全域に及びます。
■ コート・ド・ニュイ
コート・ド・ニュイ地区からは、マルサネ・ラ・コート、ジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドゥニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネなどを代表する6軒のドメーヌが選ばれています。
ドメーヌ・デュジャック(モレ・サン・ドゥニ)は1968年にジャック・セイス氏によって設立され、この半世紀でコート・ド・ニュイを代表する名門ドメーヌへと成長しました。現在は息子のジェレミーとアレック、さらにジェレミーの妻ダイアナが運営を担っています。有機栽培による約17.5ヘクタールの畑から生み出されるワインは、房ごと発酵させる伝統的な醸造法によって造られます。その結果、繊細さと凝縮感を兼ね備えた味わいが生まれ、茎由来の個性的な香りは、ドメーヌの特徴として広く知られています。
モレ・サン・ドゥニをはじめ、シャンボール・ミュジニーやジュヴレ・シャンベルタンの特級畑まで幅広く展開し、その一貫した品質の高さで高く評価されています。
1956年創業のドメーヌ・ドゥニ・モルテ(ジュヴレ・シャンベルタン)では、20年以上にわたりアルノー・モルテがワイン造りを率いてきました。近年は、従来の力強さを残しながらも、よりしなやかでエレガントなスタイルへと進化させています。
丁寧な土壌管理、高めに仕立てた樹冠の管理、長期間の果皮浸漬、そして穏やかな抽出によって、豊かな香りと凝縮感を兼ね備えたワインが生まれます。若いうちから楽しめる一方で、長期熟成によってさらなる魅力を発揮します。
マルサネやフィサンから、ジュヴレ・シャンベルタンの名高い特級畑まで幅広い畑を所有し、中でもシャンベルタンはドメーヌを象徴するフラッグシップワインとして知られています。
1933年創業のドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール(ヴォーヌ・ロマネ)、現在マリー=アンドレ・ミュニュレ氏とマリー=クリスティーヌ・ミュニュレ氏の姉妹が運営し、2017年からは次世代の担い手も加わっています。彼女たちの哲学は、伝統に敬意を払いながら、厳格な選果と、余計な手を加えない自然に委ねた醸造です。そして樽熟成によって、畑本来の個性を引き出しています。ヴォーヌ・ロマネ周辺の畑を中心に、リュショット・シャンベルタンやエシェゾーなどの名高い特級畑も手掛けており、鮮やかな果実味、シルキーなタンニン、そして毎年変わらぬ高い品質で評価されています。
コート・ド・ニュイからは、 この他にもドメーヌ・ブルーノ・クレール(マルサネ・ラ・コート)、ドメーヌ・ジェラール・ミュニュレ(ヴォーヌ・ロマネ)、ドメーヌ・ジャック・フレデリック・ミュニエ(シャンボール・ミュジニー)が選出されました。
■ コート・ド・ボーヌ
コート・ド・ボーヌからは12軒のドメーヌが選出されました。ムルソーからシャサーニュ・モンラッシェ、プリニー・モンラシェ、サン・トーバン、サントネーまで、この地域の驚くべき多様性を反映しています。
ドメーヌ・ジャン=クロード・バシュレは、マルクとアレクサンドルのバシュレ兄弟が2005年から運営するサン・トーバンの注目のドメーヌです。シャサーニュ・モンラッシェやピュリニー・モンラッシェを含む22ヘクタール超の畑を有し、有機栽培によるブドウから高い純度と精密さを備えたワインを生み出しています。徹底したバランスの追求から生まれるその品質は極めて高く、まだ過小評価されているものの、コート・ド・ボーヌ屈指の生産者としてより大きな注目に値する存在です。
シャサーニュ・モンラッシェに拠点を置くドメーヌ・ポール・ピヨは、2007年から四代目となるティエリー・ピヨ氏が率いています。丁寧な畑仕事と、できる限り人の手を加えない自然な醸造を信条とし、畑の個性をありのままに表現するワイン造りを追求しています。
ワインは、古樽での長期間の熟成、自然酵母による発酵、そして清澄を行わない手法によって造られます。こうした細やかな取り組みにより、引き締まった味わいと豊かな質感が保たれています。
シャサーニュ・モンラッシェとサン・トーバンを中心に生産されるワインは、構成のしっかりした端正なスタイルが特徴です。気候条件の厳しい年であっても高い品質を維持し、畑の個性を鮮明に映し出します。なかでもプルミエ・クリュのラ・ロマネ、レ・グランド・リュショット、レ・カイユレはドメーヌを象徴するキュヴェとして知られ、高い評価を集めています。
このほかにも、ムルソーとピュリニー・モンラッシェのアルノー・アントとブノワ・アント、シャサーニュ・モンラッシェのブノワ・モローとラミー・カイヤ、ペルナン・ヴェルジュレスのボノー・デュ・マルトレ、ムルソーのドメーヌ・デ・コント・ラフォン、ボーヌのドメーヌ・デ・クロワ、ピュリニー・モンラッシェのドメーヌ・ルフレーヴとエティエンヌ・ソゼ、そしてサントネイのジャン=マルク・ヴァンサンが選出されています。
サントネイのジャン=マルク・ヴァンサンは、1998年にドメーヌへ復帰して以来、祖父から受け継いだ教えを大切にしながら、この地域の評価向上に大きく貢献してきました。手作業を重視した栽培、高密植栽培の導入、そして畑の個性をより鮮明に表現しながら将来にわたって持続可能な栽培を実現するための大規模な植え替え計画を進めています。
こうした取り組みにより、サントネイは現在、コート・ド・ボーヌを代表する注目産地の一つとして広く認識されるようになりました。
■ コート・シャロネーズ
コート・シャロネーズ地区からは、ブルゴーニュの優れたテロワールを代表する2つのドメーヌが選ばれています。
ドメーヌ・ブルーノ・ロランゾン(メルキュレ)は1997年から家族経営のドメーヌ。ブルーノ・ロランゾン氏は、高密植栽培と精密な醸造技術を組み合わせた独自のワイン造りで知られています。自らの樽工房で、厳選した自然乾燥オーク材を用いて軽めに焼いた樽を使用し、熟成を行っています。 徹底したこだわりと独自の哲学によって生み出されるワインは高く評価されており、現在ではメルキュレを代表するドメーヌの一つとされています。
ドメーヌ・デュルイユ・ジャンティアル(リュリー)も、コート・シャロネーズを代表する存在です。ヴァンサン・デュルイユ氏は1997年に家業を継ぎ、ドメーヌを地域屈指の生産者へと成長させました。彼は、優れた立地の畑を丁寧に管理することで、特級畑にも匹敵する品質のワインを生み出せることを証明しています。除草剤を使わずに土壌を管理し、収穫を遅らせてブドウの成熟を見極めるなど、その栽培は模範的です。醸造面でも継続的な改良を重ね、房ごと圧搾する手法や長期間の澱熟成を取り入れています。こうして生まれるワインは、豊かな質感と凝縮感、そして複雑な味わいを備えています。多くのキュヴェは長期熟成によって真価を発揮し、10年以上の時を経て最も美しい表情を見せることでも知られています。
1ミシュラングレープ:良質なヴィンテージにおいて、個性とスタイルを備えたワインを造り出す、優れた生産者。
初のセレクションは、ブルゴーニュのワイン文化を象徴するコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌの2地区を中心に、33軒のドメーヌから選出されました。
■ コート・ド・ニュイ
コート・ド・ニュイ地区からは20軒のドメーヌが選出されました。
長期熟成型ピノ・ノワールの名産地として知られるジュヴレ・シャンベルタンからは、アルマン・ルソー、クロード・デュガ、ドゥニ・バシュレ、デュロシェ、ジョセフ・ロティ、トラペの6軒のドメーヌが選出され、この村の高い実力を示しています。
繊細でエレガントなワインで知られるシャンボール・ミュジニーからは、コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ、ギレーヌ・バルト、ユドロ・ノエラ、ルイ・ボワイヨの4軒のドメーヌが名を連ねています。
また、コート・ド・ニュイの中でも比較的控えめな存在とされてきたモレ・サン・ドゥニからは、クロ・ド・タール、ドメーヌ・デ・ランブレイ、ドメーヌ・ポンソの3軒のドメーヌが選出され、その高いポテンシャルを改めて示しています。
世界でも屈指の銘醸地であるヴォーヌ・ロマネからは、アルヌー・ラショー、ドメーヌ・シルヴァン・カティアール、メオ・カミュゼが選ばれました。さらに、ヴージョのシャトー・ド・ラ・トゥール、そして七代にわたる家族経営で知られるニュイ・サン・ジョルジュのフェヴレイが加わり、多様性と高い品質を兼ね備えたコート・ド・ニュイの姿を描き出しています。
■ コート・ド・ボーヌ
コート・ド・ボーヌ地区からは13軒のドメーヌが選出され、その多様性と豊かさが高く評価されました。
中でもムルソーは最多の5ドメーヌが選出されています。ベルナール・ボナン、アンリ・ボワイヨ、アンリ・ジェルマン、ルーロ、ヴァンサン・ジラルダンは、ムルソーを代表する偉大なシャルドネの造り手として知られています。
ヴォルネイからは、ドメーヌ・ド・モンティーユ、マルキ・ダンジェルヴィーユ、ミシェル・ラファルジュ、ロブレ・モノの4ドメーヌが選出されました。ここではピノ・ノワールが特に洗練された表現を見せています。
さらに、ボーヌのバンジャマン・ルルー、ジョゼフ・ドルーアン、ルイ・ジャド、シャサーニュ・モンラッシェのピエール=イヴ・コラン=モレ、サン・トーバンのマルク・コラン、そして1940年代から有機栽培に取り組んできたサン・ロマンのアンリ&ジル・ビュイソンが選出され、コート・ド・ボーヌの多彩なテロワールとスタイルを体現しています。
セレクテッド:定期的なレビューの対象に選ばれ、価値のある良質なワインを造り出す、信頼のおける生産者です。初のセレクションでは、32軒のドメーヌが選出され、ブルゴーニュのワイン産地の豊かな多様性を反映しています。
■ コート・ド・ニュイ
フィサンのドメーヌ・ベルトー・ジェルベは、七世代にわたり続くワイン造りの伝統を受け継いでいます。2013年にアメリー・ベルトー氏が家族の畑を統合し、現在はヴォーヌ・ロマネまで広がる16ヘクタールのドメーヌを運営しています。除草剤を使用せずに栽培されたブドウから、凝縮感と純粋さを兼ね備えたワインが生み出されています。
マルサネのシルヴァン・パタイユは、1999年にわずか1ヘクタールからスタートし、現在では約15ヘクタールをビオディナミ農法で管理しています。馬による耕作を含む丁寧な土壌管理により、個性豊かな赤・白ワインを生み出しています。
シャンボール・ミュジニーのドメーヌ・フェレティグは、長期熟成や樽の厳選、セラーの刷新などを進め、2024年ヴィンテージで初の有機認証を取得しました。豊かな香りと高い熟成能力を備えたワインで知られています。
ドメーヌ・カミーユ・ティリエは、2016年に、ブドウやワインを買い付けて販売する小規模なワイン事業として始まり、現在では約6ヘクタールの畑を有するまでに成長しました。有機栽培によるフレッシュで純度の高いワインを通じて、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの魅力を発信しています。
このほか、ブノワ・シュヴァリエ、シャルル・オードワン、フーリエ、ユベール・リニエなども選出されています。
■ コート・ド・ボーヌ
ムルソーのドメーヌ・ジョバール・モレは、優れた区画に植えられた古木のシャルドネを受け継いでいます。2016年にヴァランタン・ジョバールが家業を継いで以来、土壌の健全性を重視した有機栽培への移行を進めながら、伝統的な醸造手法を磨き続けています。ワインは豊かな質感を備えながらも、鮮やかな酸と美しいバランスを保っています。
同じムルソーでは、アンヌ・ボワソン、バロ・ミヨ、ビュイソン・シャルル、カミーユ&ギヨーム・ボワイヨ、ピエール・ボワソン、ピエール・ジラルダン、ピエール・モレも選出されています。
また、シャサーニュ・モンラッシェのアレックス・モロー、ラモネ、ヴァンサン・ダンセール、ピュリニー・モンラッシェのジャック・カリヨン、トマ・コラルド、ボーヌのアルベール・ビショー、ブシャール・ペール・エ・フィスなどが選ばれています。さらに、サン・ロマンのアラン・グラ、サン・トーバンのジョセフ・コラン、ポマールのイヴォン・クレルジェなども名を連ねています。
■ コート・シャロネーズ
モンタニーのマキシム・コットンソーは、ヴァンサン・デュルイユ氏のもとで3年間学んだ後、2018年に家族の畑を引き継いで独立しました。約4ヘクタールの有機栽培畑では、剪定方法の工夫など新たな試みにも積極的に取り組んでいます。そこから生み出されるワインは、しなやかで豊かな果実味と華やかな香りを備え、南ブルゴーニュを代表する若手生産者の一人として注目を集めています。
ミシュラングレープ ブルゴーニュ2026 セレクションの概要
- 3 ミシュラングレープ:9ドメーヌ
- 2 ミシュラングレープ:20ドメーヌ
- 1ミシュラングレープ:33ドメーヌ
- セレクテッド:32ドメーヌ
合計94軒のドメーヌが、ブルゴーニュを代表する優れたワイン生産者として選出されました。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。アルコールの過剰摂取は健康を損なうおそれがあります。適度な飲酒を心がけましょう。また、飲酒運転は法律で禁止されています。お酒を飲まれる際は、公共交通機関や代行サービス等をご利用ください。
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※1ドメーヌ:自社畑でブドウ栽培から醸造までを行うワイン生産者
※2テロワール:土壌や気候など、その土地ならではの個性
※3アペラシオン:法律で定められたワインの産地呼称
※4ビオディナミ:月の満ち欠けや天体の周期、堆肥作りなども重視し自然のリズムを尊重し、土壌の力を生かしてブドウを育てる栽培方法
※5マセラシオン:ブドウの果汁に皮や種を浸して、ワインに色や香り、渋みを移す工程