ミシュラン、ドイツ自動車連盟の
タイヤ摩耗粉塵排出量の評価で業界のリーダーに
- ミシュランは、タイヤと道路の摩擦により生じるタイヤ摩耗粉塵の排出量の評価において、欧州で最大の会員数を誇るドイツ自動車連盟※1から2回連続で圧倒的な優位性を認められました。
- タイヤの摩耗粉塵は、欧州「ユーロ 7規制※2」の対象となる世界で憂慮すべき課題です。
- ミシュランは20年にわたりイノベーションにおけるリーダーシップを活かし、タイヤの摩耗への理解とその削減に取り組んできました。
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン(日本法人本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤元) は、2025年6月、厳格なテスト基準を用いることで知られるドイツ自動車連盟から発表された、新たな調査結果を公表しました。数多くのタイヤブランドによる160種類のタイヤ(サマー、オールシーズン、ウィンタータイヤを含む)を対象にしたタイヤの摩耗粉塵排出量の調査で、プレミアムブランド12社のタイヤの平均値と比べ、ミシュラン製タイヤは摩耗粉塵が26%少ない結果となりました。
ミシュランは、タイヤの寿命を通じて一貫して優れた性能を発揮する製品を提供するため、耐久性、粉塵排出量の削減、原材料の最小限の使用などに取り組んできました。上記の結果は、同社が追求してきた革新性による成果と言えます。そして、ミシュランのアプローチは、当然ながら粉塵排出量が少ないタイヤを実現します。ドイツ自動車連盟の調査でも、それが高い安全性とともに発揮されていることが示されています。
タイヤの摩耗粉塵は、欧州のユーロ 7規制が対象とする世界的な課題に
欧州だけ見ても、車両走行で発生するタイヤ摩耗粉塵は年間約50万トン排出されています。
2024年7月に制定されたユーロ 7 規制では、今後欧州市場で販売されるすべてのタイヤの摩耗粉塵量を明確にすることが可能となり、将来的には、ここで制定される基準に満たないタイヤは販売できなくなります。
この規格は明確に欧州におけるタイヤ粉塵排出量の大幅な削減を目指しています。
ミシュランの20年におよぶ取り組み ― タイヤの摩耗を解明し削減へ
ミシュランは、タイヤと路面の摩擦によって生じる摩耗粉塵排出量の軽減を目指して、20年以上にわたり革新を続けてきました。この取り組みにより、2015年から2020年の間に、タイヤの摩耗粉塵排出量を5%削減する革新技術の開発を実現しました。これは、同期間中に10万トンに及ぶタイヤ摩耗粉塵を削減したことに値し、同社は今後数年間で、この数値をさらに改善する目標を掲げています。
この目標を達成するため、ミシュランは研究開発に多額の投資 (2024年に7億8,600万ユーロ) を継続的に実施し、摩耗に関する理解を深めています。またミシュラングループは、その素材に関する専門知識と合わせて、長年にわたり、原材料の最適化に焦点を当てた設計戦略を基盤としてきました。
2023年末、ミシュランはフランス国立科学研究センター (CNRS) とクレルモン・オーベルニュ大学と共同で、研究施設「BioDLab」を設立しました。同研究所のミッションは、摩耗粉塵の生物劣化メカニズムに関する理解を深めること、および粉塵を環境に同化させるためのツール開発です。
この取り組みを通じて、ミシュランはタイヤの摩耗と粉塵の減少への理解をさらに深めることを目指しています。達成目標には、排出物質の削減、科学的根拠に基づく対応策の提供、さらに実際の技術的ソリューションの開発が含まれています。目標を達成するためには、厳格さと継続的な投資が不可欠です。
※1ドイツ自動車連盟 (Allgemeiner Deutscher Automobil-Club : ADAC)
※2ユーロ7規制:自動車の排出物を厳しく制限するEUの最新環境規制
顕微鏡下で観察されたTRWP摩耗粒子
ADACの調査報告書は以下よりご覧ください:
https://assets.adac.de/image/upload/v1749035559/ADAC-eV/KOR/Text/PDF/33478_dppcxx.pdf