日本ミシュランタイヤ、アジア初「ミシュラン農機用タイヤデモンストレーションイベント」開催
土壌を圧縮せずにコストを圧縮、持続可能な農業に革新技術で貢献
「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュランの日本法人である日本ミシュランタイヤ株式会社(本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤 元、以下ミシュラン)は、7月1日~4日に、北海道美幌町の日本ニューホランド株式会社にて、アジアで初めての開催となる農機用タイヤのデモンストレーションイベントを実施しました。
当日は、超低空気圧での使用が可能なミシュラン独自の弾力性を持つ革新的ケーシング技術である「ミシュランウルトラフレックステクノロジー」を採用する「MICHELIN AXIOBIB 2(ミシュラン アキシオ ビブツー)」を装着したNEW HOLLAND社のトラクターT7.300で、畑を圧縮しないでコストを圧縮する革新技術を農業従事者に体験いただきました。
アジアで初めての開催となる「ミシュラン農機用タイヤデモンストレーションイベント」は、国内でも300馬力ほどある大型トラクターを使用する農家が多い北海道道東地域で実施しました。農業大国フランスをはじめとするヨーロッパ各地では、収益性の低下、労働力不足、燃料価格の高騰などの課題解決が早い段階から求められてきました。ミシュランはこうした課題に革新技術で貢献してきた歴史があります。そのノウハウを生かし、日本の農家が抱える課題解決にアプローチし、持続可能な農業に貢献します。
イベントには3日間で170名ほどの農業従事者に参加いただきました。タイヤにかかるコストは農業経営における全体コストのおよそ1%でしかありません。しかし、タイヤを正しく選択し、空気圧を適正に管理することで、燃料費の削減や生産性の向上による、最大4%の収穫量向上が可能※2となり、効率的な農業経営に貢献できることをお伝えしました。
【MICHELIN AXIOBIB 2について】
MICHELIN AXIOBIB 2は、農業機械向けに開発されたVF(Very High Flexion)タイヤ※1で、従来品に比べてより低い空気圧での使用が可能です。これにより土壌へのダメージを軽減しつつ、優れた牽引性能と作業効率を実現します。
※1 Very High Flexionタイヤは、農業機械や建設機械などの重機に使用される特殊なタイヤです。これらのタイヤは、従来のタイヤに比べてより高い柔軟性を持ち、より低い空気圧で使用することができます。
【ミシュラン農機用タイヤの走行が農業に貢献できる4つの特徴】
✓ 土壌に優しい農業=土壌の踏圧を緩和し、畑を健康に保つ
✓ 収穫量の向上=畑を踏み固めず、作物の成長を促進
✓ 時間の節約=空気圧の最適化により作業効率を向上
✓ 燃料の節約=駆動性の向上により、走行ロス(スリップ削減)し、燃料消費量を低減
【実施した3つの実証デモ】
①タイヤの設置面積の比較(フットプリント)
軸重をそろえた2種類のミシュランタイヤで圃場を走行しフットプリントを比較しました。超低空気圧のVFタイヤは圃場を広く浅く踏むため、踏圧が低く土壌に優しいことを実証しました。
タイヤサイズ(リア) 710/70R42 軸重 9.2t 使用トラクター NEW HOLLAND T7.300 |
- 土壌のフットプリント(手前)
左:適正空気圧60kPaに調整したMICHELIN AXIOBIB 2:VFタイヤ※1
右:適正空気圧110kPaに調整したMICHELIN MACHXBIB:スタンダードタイヤ
※1 Very High Flexionタイヤは、農業機械や建設機械などの重機に使用される特殊なタイヤです。これらのタイヤは、従来のタイヤに比べてより高い柔軟性を持ち、より低い空気圧で使用することができます。
※2 作物の成長過程における、標準テクノロジーとウルトラフレックステクノロジーの比較。
ソース:Harper Adams University (イギリスのハーパーアダムス大学)
- 板上のフットプリント(奥)
左:空気圧200kPaに調整したMICHELIN AXIOBIB 2:VFタイヤ※1
中:適正空気圧60kPaに調整したMICHELIN AXIOBIB 2:VFタイヤ※1
右:適正空気圧110kPaに調整したMACHXBIB:スタンダードタイヤ
②土壌圧縮比較(ソイルコンパンクション)
軸重をそろえた2種類のタイヤで圃場を走行し、土壌の圧縮を比較しました。超低空気圧のVFタイヤは圃場を広く浅く踏むため、土壌の沈み込みが浅いことが実証されました。スタンダードタイヤとの沈み込みの差は約1センチ確認されました。
タイヤサイズ(リア) 710/70R42 |
※1 Very High Flexionタイヤは、農業機械や建設機械などの重機に使用される特殊なタイヤです。これらのタイヤは、従来のタイヤに比べてより高い柔軟性を持ち、より低い空気圧で使用することができます。
白い層の2本目と5本目に赤い線を引いています。左のVFタイヤのフットプリントは4本目の白い層が②の線上にかぶっています。
右のスタンダードタイヤのフットプリントは白い層が1本目から深く沈み込み、4本目の白い層が②の線の下まで沈んでいます。
③駆動性能と燃料消費量比較テスト
牽引力4.3トンのトラクターを走行させ※3、タイヤの空気圧の違いでどれくらいの駆動性能、燃料消費量の違いがあるのか実証しました。適正空気圧で走行することで、トラクション性能が向上し、スリップの改善、1ヘクタール走行時の燃費性能が18~20%程向上することを実証しました。
MICHELIN AXIOBIB 2:VFタイヤ※1 タイヤサイズ(リア) 710/70R42 |
※1 Very High Flexionタイヤは、農業機械や建設機械などの重機に使用される特殊なタイヤです。これらのタイヤは、従来のタイヤに比べてより高い柔軟性を持ち、より低い空気圧で使用することができます。
※3実際の農作業を想定し、デモでは作業機を付けたトラクターを牽引することで4.3トンの負荷をかけて実施
【イベントに参加した農業従事者の声】
「空気圧の設定でトラクションのかかり方や踏圧に差が出て、燃費にもかなり影響があることが非常にわかりやすく参考になりました」「タイヤには強い関心はありませんでしたが、タイヤひとつで圃場への負担や経費の削減に繋がる事を知ることができました。今日のイベントに参加出来てよかったです」「帰ったらすぐ空気圧チェックします !」などの感想を述べられました。
【ミシュラン農機用タイヤのサービス&ソリューション】
ミシュランでは2023年に事業者向けウェブサイトを開設し、農機用タイヤの製品ページも一新しました(https://business.michelin.co.jp/agriculture)。さらに今年4月からは、各製品ページに見積り依頼機能を追加し、希望のタイヤに対してすぐに見積りが依頼できます。
また、現在ウェブページから英語でご案内している、適正な空気圧を提案するMICHELIN AGROPRESSURE(ミシュラン アグリプレッシャー)システムの日本語版アプリを、2026年秋をめどに導入予定です。このシステムを活用することで、ユーザーが所有するトラクターの状態を「見える化」でき、地形や使用目的に応じた最適な空気圧設定のアドバイスを受けることが可能になります。トラクターの空車重量、車軸重量、ホイールベースなどのデータベースに接続し、自動計算機と連動することで、専門的な知識がなくても、誰でも簡単に適切な空気圧を把握・設定できるようになります。
今回のデモの様子は日本ミシュランタイヤ公式ウェブサイトでもご紹介しています(https://business.michelin.co.jp/agriculture/2025-demo-event)。