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ミシュラン、IFPEN、アクセンスがフランスで初の工場規模となるバイオエタノールからブタジエンを生成する試作設備を開設
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ミシュラン、IFPEN、アクセンスがフランスで初の工場規模となるバイオエタノールからブタジエンを生成する試作設備を開設

2024-2-7

~バイオ由来のブタジエン産業の発展を加速させ、新技術の商業化へ導く大きな一歩~

本リリースは仏Bassensで2024年1月19日に発表した英文リリースの抄訳です

「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン(日本法人本社:群馬県太田市、代表取締役社長:須藤 元)、IFP Energies nouvelles、およびアクセンスは、ボルドー近郊のバッサンスにあるミシュランの工場で、フランス初のバイオマス(植物)由来のブタジエンを生産する工業規模の試作設備を開設したことを発表しました。この設備は石油由来のブタジエンに代わる材料として、バイオ由来のエタノールからブタジエンを製造することを目指し、ADEME(フランス環境エネルギー管理庁)の支援を受け、3つのパートナーが参加するバイオバタフライ・プロジェクトの枠組みの中で建設されました。バイオバタフライ・プロジェクトは、 バイオベースの合成エラストマー産業を創出する上で、重要な一歩を踏み出すことになります。

バイオ由来のブタジエン分野の発展加速に向けた大きな一歩

ブタジエンは、C4ジオレフィンであり、多くのポリマーの製造において重要な中間体です。ブタジエンの40%はタイヤ市場向けのエラストマー生産に使用され、残りの60%は主にワニス、樹脂、ABS樹脂、自動車用ナイロン、織物、建築資材の製造に使用されています。こうした広範な用途は、バイオ由来のブタジエンに新たな市場を提供します。

2023年7月に開始された工業規模の試作設備では、バイオ由来ブタジエンの製造工程における各段階を検証する必要がありました。こうしたプロセスを経て、技術的および経済的な実現性が証明され、年間の生産能力が20トンから30トンに向上し、迅速な発展が可能になります。

この試作段階は、新しいプロセスをグローバルに商業化するための道筋を提供し、化石資源に依存しない革新的な合成ゴムの製造を可能にし、新しいバイオ由来のブタジエン市場をさらなる発展へと導きます。アクセンスによるこの技術の商業化は、再生可能なブタジエンを大量に確保するための重要なステップとなります。

ミシュラングループ、IFPEN、アクセンスの新たなコミットメント

試作設備の開設は、3つのパートナーがフランスのバイオ由来の合成エラストマーセクターの発展を促進し、より持続可能な産業に積極的に取り組み、新しい産業を創造することを目指します。

ミシュラン 経営評議会 執行副社長 研究開発部門運営ディレクター エリック・ヴィネスは次のように述べています。
「ミシュランは合成ゴムの製造に石油由来のブタジエンを使用しています。この技術は、2050年までに当社のタイヤで天然由来材料・リサイクル素材を100%使用するという目標を達成するための素晴らしい機会です。また、当グループは、循環型素材や再生材料・リサイクル素材の使用というミシュランの中核目標に沿い、再生可能なブタジエン製造部門の発展を支援したいと考えています。」

IFPEN アシスタント・ジェネラル・マネージャー カトリーヌ・リヴィエール氏は次のように述べています。
「10年以上にわたるパートナーとの研究・技術革新を経て、この試作設備はバイオ由来ブタジエンの製造過程の産業化において重要な節目となります。バイオバタフライ・プロジェクトに対するコミットメントは、バイオ由来化学の分野においてメーカーや社会の期待に応えたいという当社の熱意を示しています。」

アクセンス会長兼CEO ジャン・サンテナック氏は次のように述べています。
「アクセンスはこのパートナーシップと試作設備により、バイオ由来ソリューションを求めるメーカーに向けて自らのコミットメントを表明しています。当社のチームおよびパートナーの素質と専門知識により、バイオ由来ブタジエンの使用は、再生可能な材料を求める多くの産業にとって現実のものとなるでしょう。こうした材料の使用は、リサイクルと並んで将来的に大きな課題のひとつであり、私たちは、バイオバタフライ・プロジェクトのような革新的で信頼性の高い技術的ソリューションの普及・統合を通じて、貢献しています。」

ミシュランはパートナーと連携して新しいエコシステムを構築し、バリューチェーンに関わる様々なプレーヤーとのシナジーを発展させ、再生可能なブタジエンの製造を進めています。将来的にこれらのエコシステムは持続可能でバイオ由来の製品への需要の高まりに対応するため、世界中に工場を建設予定です。

現在までに、バイオバタフライ・プロジェクトは総額8,000万ユーロ以上の投資を表しており、そのうちADEME主導の「未来への投資プログラム」による支援は1,470万ユーロになります。また同プロジェクトは、ヌーヴェル=アキテーヌ地域とボルドー都市コミュニティからも支援を受けています。なお、バッサンスにあるミシュランの工場では、これまでに20名分の新規雇用が創出されています。

※ブタジエンとは
合成ゴムの製造に使用される化学物で、石油から製造されています。世界中で年間1,200万トン以上のブタジエンが消費され、そのうち約40%がタイヤ製造に使用されています。

※参考リリース:バイオバタフライ・プロジェクト
https://news.michelin.co.jp/articles/michelin-ifpen-and-axence-break-new-dimension-in-bio-butterfly-projects

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