ミシュラン、新世代の航空機用タイヤ
「MICHELIN Air X SKY LIGHT」を世界初公開

～大幅なタイヤ軽量化による画期的なイノベーション～

「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン（日本法人本社：東京都新宿区、代表取締役社長：須藤 元）は、2023年6月19-25日に開催された第54回パリ国際航空ショーで、新世代の航空機用タイヤ「MICHELIN  Air X SKY LIGHT（ミシュラン エアーエックス スカイライト）」を世界初公開しました。

「MICHELIN  Air X SKY LIGHT」は、軽量で長寿命の新世代の航空機用タイヤです。安全性を損なうことなく、よりサステナブルで優れた性能を発揮します。従来品と比較し10〜20%の軽量化と15~20%のタイヤ寿命延長を実現しました。これにより、装着してから摩耗し取り外されるまでの離着陸回数が増え、メンテナンスコストとタイヤ輸送コストの削減につながります。

航空輸送の脱炭素化が求める新世代タイヤ

重量は、航空機にとって非常に大きな制約であり、すべての部品において重要視されます。 

将来運航する予定の航空機のみならず、現在生産されている航空機に装着した場合でも、軽量化により、大幅に使用燃料とCO2排出量が削減されます。例えば、エアバスA320やボーイング737などのナローボディ機では、メインギアで75kg軽量が可能です。エアバスA350やボーイング777などのワイドボディ機では、メインギアで最大250kgの軽量が可能です。長距離航空機40機に換算すると、タイヤの軽量化だけで年間90万米ドルのジェット燃料を節約でき、CO2排出量を3,400メートルトン削減できます。中距離航空機100機の場合、ジェット燃料の節約量は年間60万米ドルで、2,200メートルトンのCO2が削減できます。 

「MICHELIN Air X SKY LIGHT」の設計は、タイヤのライフサイクルアセスメントから始めました。環境の観点では、重量が最も(90〜98%)影響を与えるパラメータであり、燃料はタイヤの使用段階で消費されます。タイヤを高地で運べば多くの燃料を使用します。着陸装置としてのタイヤの重量は約50kg～2,000kgとなるため、軽量化は大きな課題です。

イノベーションから生まれた「MICHELIN  Air X SKY LIGHT」

「MICHELIN Air X SKY LIGHT」は、構造、材料、製造工程などの複数のイノベーションにより生まれました。最適化されたトレッド構造とトレッド接地面により、旧世代の同等品と比較して寿命が15〜20%延長します。また、超耐性ケーシング材料と最新世代のハイブリッドケーブルおよびファブリックを使用しています。「2050年までにタイヤを100%持続可能にする」というミシュラングループの目標に沿い、従来品以上にサステナブル素材の含有を増やしています。

航空機タイヤの製造ラインがあるブールジュのミシュラン工場内では、革新的な製造工程が開発されました。

ダッソー社のファルコン10Xに装備、その後商用航空機へ拡大

「MICHELIN Air X SKY LIGHT」は、ダッソー社の長距離ビジネスジェット機ファルコン10X次期モデルに装備するため開発されました。ダッソー社のスケジュールに則り、今後数か月内にテスト飛行が予定されています。 

「MICHELIN Air X SKY LIGHT」は、民間航空市場を対象としています。タイヤサイズは、航空会社と航空機メーカーの優先順位により決定します。新規開発は極めて厳しい型式認証及び取得ルールの対象となるため2～3年を要します。

ミシュランは、航空業界に50年以上の実績があります。ラジアルタイヤ、バイアスタイヤ、インナーチューブを、民間および地域の航空会社、一般航空、軍事航空など、世界中の顧客に供給しています。ミシュランは、世界大手の建設会社や企業(エアバス、ボーイング、ボンバルディア、コマック、ダッソー、エンブラエル、ガルフストリーム、ホンダジェット、ロッキードマーティン、ピラタス、テキストロンなど)とパートナーシップを構築しています。