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ミシュラン、先進のシミュレーション技術を取得
データドリブンカンパニーとしての成長を加速
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ミシュラン、先進のシミュレーション技術を取得
データドリブンカンパニーとしての成長を加速

2023-6-2

~シミュレーションソフト開発会社、キャノピー シミュレーションを買収~

  • シミュレーションソフト開発会社、「キャノピー シミュレーション(Canopy Simulations)」を買収
  • モータースポーツと自動車産業の発展を加速させるシミュレーション技術
  • データドリブンカンパニーとして、シミュレーション分野での成長を加速


 「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュラン(日本法人本社:東京都新宿区、代表取締役社長:須藤 元)はシミュレーションソフト開発会社の「キャノピー シミュレーション(Canopy Simulations)」を買収しました。

 同社はラップタイムシミュレーションのグローバルリーダーであり、市場で最も洗練されたシミュレーションソフトウェアを提供する英国の企業です。そのクラウドベースのシステムは、サーキット、車両、タイヤモデルと高度な軌道最適化機能を組み合わせることで、精巧な“バーチャル ドライバー”の入力データをシミュレーションします。さらにサーキットと公道での開発の両方で、詳細で多様なドライバーモデルを考慮し、進化できるよう設計されています。

 バーチャル ドライバーは、タイヤの安定性などその性能を評価するために、「ル・マン24時間世界耐久レース」で4時間のスティントをシミュレートするなど、基本的なタスクを実行することができます。公道走行用タイヤの場合は、自動車メーカーがさまざまなドライバーのプロファイルを再現し、車やタイヤの使い方を変えることができます。しかし、最終的な決定権は人間にあり、ドライバーはタイヤの最終仕様や車両との適合性を確認し、承認することになります。

 

モータースポーツと自動車産業の発展を加速させるシミュレーション技術

 レーシングカーや一般のスポーツカーに装着されるタイヤの開発において、シミュレーション技術は理想的なツールのひとつです。2023年6月にフランスで開催される「ル・マン24時間世界耐久レース」では、最高峰のカテゴリーであるハイパーカークラスに出場するすべてのプロトタイプに、このシミュレーション技術で開発されたタイヤが装着される予定です。

 この技術は、ミシュランと自動車業界のパートナーとの関係において不可欠なものであり、新車に純正装着される高性能タイヤの開発において欠かせない役割を担っています。数理モデルとシミュレーターを効果的に組み合わせることで、新車の技術特性や重量配分などから、どのタイヤサイズでどのようなタイヤ性能技術が最適なのかを判断することができます。

 

 データ処理技術と高度な数学的アルゴリズムに基づくこのシミュレーターは、モビリティ業界における技術的リーダーであり、データドリブンカンパニーであるミシュランの地位をより確固たるものにします。効率的なレースとモビリティを促進するイノベーションを加速することで、ミシュランはパートナーや自動車メーカーとの協業を最適化すると同時に研究開発の環境フットプリントを削減し、これまでの長期にわたる開発サイクルと比較して、実質的な効率化の実現を可能にします。

 

以下の3つのデジタルモデルの相互作用により、この技術は動的再現性を有します。

  1. サーキットの特徴量とグリップ特性
  2. 車両のシャーシ(あるいは車両全体)特性
  3. 詳細なタイヤ挙動の再現

 

 これによりシミュレーターのハンドルを握ったドライバーは、さまざまなタイプのタイヤを、非常に幅広い要件設定の中でテストすることができ、ドライバーの主観的な感覚やフィードバック、シミュレーターが提供する客観的なデータを合わせることで、実車や実際のサーキットで現実と同じような走りをすることが可能になります。

 

進化し続けるデジタリゼーションに対応するため、ドライバーの役割も大きく変わり、若年層ドライバーはシミュレーションスキルを身につけると同時に、実際のレース技術も磨いています。まさにリアルとバーチャルの架け橋となることが求められようになっています。

 

データドリブンカンパニー、シミュレーションのパイオニアとしてのミシュラン

30年前、レースで収集されたデータを処理し、予測を行うためにモータースポーツに導入されたソフトウェアは、今世紀に入ってから変化を遂げました。そして2005年、ミシュランがFormula 1に参戦したのを機にバーチャルタイヤはよりダイナミック な方向に転換していきました。ミシュランの研究者たちは、タイヤを構造ごとに独立した数学的モデルに分解していき、ミシュランが開発した熱力学ソフトウェア「Tame Tire(テイムタイヤ)」によって、タイヤが変形する様子や、原材料やタイヤの内圧が温度によってどのように変化するかを再現し、異なる要素の相互作用の予測を可能にしました。Tame Tireはその後も進化をし続け、レースで収集されたスマートデータによって常に改良されています。現在、ミシュランは独自の数学的データ処理の専門性により、タイヤのモデリングとシミュレーションにおいて先進的な存在となっています。

最後まで続く性能を目指して、「Performance Made to Last」

車と路面の唯一の接点であるタイヤには、たくさんの性能が求められます。その一つに、摩耗が進んでもタイヤに求められるすべての性能を装着初期から長期にわたり安定して発揮させる性能があります。それは、より高い安全性と経済性に貢献し、人々のモビリティライフを充実させ、日々の生活をより豊かにすることに繋がります。さらに、安全性と経済性に優れたタイヤは、安心して摩耗末期まで使用することができ、消費されるタイヤをより少なくすることを可能にします。タイヤ製造に必要な原材料使用量や廃棄タイヤの抑制にもつながり、環境負荷の少ないサステナブルなタイヤを実現します。ミシュランは最後まで続く性能を目指して、「Performance Made to Last」という思想のもとタイヤを開発しています。

メディア資料

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